
フランス料理はメニューの中でもメイン料理が目立ちますが、案外前菜に力を入れているレストランが多いです。
メインに入る前のビジュアルで、盛り付けのアレンジが効くのが前菜です。
色の使い方がもっと自由で、オリジナリティを出せたり、野菜のふんわり感を出せ、飾り付けをきれいにできます。
そして名前にも、 「コクテイユ(カクテル)」 や 「ポシェ (袋)」
という言い方もあり、呼び方も千差万別!
では早速前菜の定番の名前を見ていきましょう(^^♪
前菜の種類と名前
前菜は春夏秋冬、それぞれの季節感が!
アボカ(アボカド)
コクテイユ・アボカ・クルベット
アボカドと茹でたエビをドレッシングであえたサラダで、丸型お皿に盛り付けて、夏の菜っ葉を上に。
シェークすることをフランス語で、「コクテイユ」と言います。
トマト、エビやサラダ葉をドレッシングで混ぜ合わせたという事ですが、サラダ系にこのコクテイユという言い方が使われます。

コクテイユ・アボカ・クルベット(アボカドとエビのカクテル)
アボカ・オ・クルベット
柔らかめのアボカドをつぶしたその上に茹でたエビ、また揚げたエビを添えたサラダです。 アボガドの季節感は夏(^^♪

アボカ・オ・クルベット(アボカドの揚げエビ添え)
次はアスパラガスです(^^♪
アスペルジュ(アスパラガス)
アスペルジュ・ソース・ムスリン
アスパラガスのムスリムソース添え(卵、酢、塩コショウにバターと生クリームを混ぜて泡だてたソース)です。
「ムスリムソース」はフランスで一番使われている「オランデーズソース」より、もっとふわっとしています。
アスパラガスは案外高級食材で添えるソースも、ムスリムソースのような手の込んだソース。
季節は春から夏です。

アスペルジュ・ソース・ムスリン(アスパラガスのムスリンソース添え)
オランデーズソースはこちらの記事へ↓
卵(ウフ)は、前菜の女王と言えるくらいバリエーションがあります。
ウフ(卵)
ウフ・マヨネーズ
カフェで出るのがこのクラシックなパターンのウフ・マヨで、ゆで卵を半分に切ってサラダの葉を添えて、マヨネーズをかけただけの非常にシンプルな前菜です。
この位シンプルなのに、なぜかカフェやブラッスリーでは定番から無くならないのかと不思議に思いますが、人気は衰えていません(^^♪
季節は通年です。

ウフ・マヨネーズ(ゆで卵のマヨネーズ添え)[/caption]
このウフ・マヨのコンテストがパリで行われ、優勝者はパリの18区のレストランシェフです↓。
ウフ・ポシェ・フリカッセ・ドゥ・シャンピニョン
半熟ゆで卵に、赤ワインソースで炒めたキノコ(フリカッセ)の上に、半熟卵をの飾りつけてます。
この卵は、温泉卵のように半熟なので、ナイフできると綺麗に黄身が出て、キノコが卵に馴染んで美味しいのです(^^♪
季節感はキノコの季節で秋から冬です。

ウフ・ポシェ・フリカッセ・ドゥ・シャンピニョン(半熟卵のキノコ炒め添え)
〚ウフ・ポシェ〛がブルーチーズソースに入っていると、〚ウフ・ポシェ・ア・ラ・クレーム・デゥ・フロマージュ・ブルー〛になります。
次はエスカルゴ(^^♪
エスカルゴ(カタツムリ)
エスカルゴ・ブルギニョン
ブルギニョンという名前になっていますが、ブルゴーニュワインとは関係なく、パセリとバターが混じったクリームがエスカルゴ(カタツムリ)が詰まっています。
ブルゴーニュ地方はこのカタツムリの有名産地ですので、ブルゴーニュ地方の形容詞で〚ブルギニュン〛と言っています。
季節は通年です。

エスカルゴ・ブルギニョン(ブルゴーニュ風エスカルゴ)
次はナス料理です。
オベルジ―ヌ(なす)
オベルジーヌ・エ・モッツアレラ・ア・ラ・ソース・バルサミック
オリーブオイルでソテーしたナスに、モッツアレラチーズを添えて、バルサミコソースで和えてます。

オベルジーヌ・エ・モッツアレラ・ア・ラ・ソース・バルサミコ(ナスとモッツアレラチーズのバルサミコソース風)
スピオン・オン・サラド・ドベルジン・コンフィット
ナスとスピオンというイカをあえたサラダで、ナスをオリーブオイルでソテーして、スピオンのイカを段にして重ね、バジルで和えています。

スピオン・オン・サラド・ドベルジン・コンフィット
季節感はバジルソースもあり、春から夏です。
クルスチアン(フライ)
クルスティアン・デゥ・フロマージュ
クルスティアンは、薄皮のブリックでヤギのチーズをオーブンで焼いたもので、カフェでも定番。
中でも、ヤギ(なければ、カマンベールチーズ)が多いです。
付け合わせは、ハチミツとか、イチジク、濃い目のジャムが合い、通年です。


クルスティアン・デゥ・フロマージュ( croustillant de fromage チーズのブリック揚げ)
このクルスティアンは、ヤギチーズ揚げが多いのですが、飾りにも使われます。
クルスティアン・オ・ソモン・フュメ
上のヤギのチーズの丸ごと焼きタイプに対して、サラダを生のサーモンで巻いて、そのうえにブリックを丸型にして、帽子のような飾りつけになっていれ綺麗です(^^♪
季節感は通年です。

クルスティアン・オ・ソモン・フュメ
スープ
スープ・ドゥ・ポワソン
秋から冬の寒い時期によく出る前菜で、スープとはいえお腹が一杯になるボリュームです。
スープに使う魚自体は、お皿に出せない余りものの魚ですが、濃厚な味を感じられます(^^♪
黄色い色はサフランの色です。付け合わせは、きざみチーズと、クルトンといって一口サイズにしたフランスパンをオリーブオイルで焼いたものと、マヨネーズがあります。
熱いスープは秋から冬に人気になります。

スープ・ドゥ・ポワソン ( 魚のスープ )
スープ・ア・ロ二オン
残ったフランスパンと玉ねぎを煮込んだオーブンで焼いたスープです。
フランスパンが中に入っているので、お腹が膨れます。
これも熱いスープで季節は秋から冬。

スープ・ア・ロ二オン (玉ねぎのスープ )
スープ・ドゥ・ポワロー
ネギのスープとも言いますが、ビロードの様にとの形容で、「ネギのヴルテ」とも言います(^^♪
作り方はネギと玉ねぎを炒めて、牛乳で煮た後にミキサーにかけるかミニバーで粉砕しています。
野菜の熱いスープですが、夏もありです(^^♪

ネギのヴルテ(長ねぎのスープ)
スープ・ドゥ・レギュ―ム
野菜のスープで、言い方はスープ・ドゥ・レギュ―ムとも言いますが、ネギスープのように、ビロードの様にとの形容で、「野菜のヴルテ」とも言います。
野菜のスープは、ヴルテと言われることが多いです。

スープ・ドゥ・レギュ―ム
スープ・ドゥ・ポティロン
カボチャのスープで、 ビロードの様にとの形容で、〚カボチャのヴルテ〛とも言います。
かぼちゃのスープも季節感は秋から冬です。

スープ・ドゥ・ポティロン(かぼちゃのスープ)
ガスパチョ・ドゥ・ポワブロン
ピーマンのガスパチョです。ガスパチョは、トマトを使うのが多く、色が赤いのをイメージしますが、他にもいろいろな野菜を使えます。
季節は夏です。

ガスパチョ・ドゥ・ポワブロン(ピーマンのガスパチョ)
ガスパチョ・ドゥ・トマト・エ・ポワブロン・ルージュ
トマトと赤ピーマンのガスパチョです。飾り付けにバジルをソースにして上からデザインをしています。
トマトの赤と緑がとても調和がよく綺麗です。季節は夏です。

ガスパチョ・ドゥ・トマト・エ・ポワブロン・ルージュ
メロン
ムロン・オ・ヴァン・ドゥ
メロンの薄切りの甘口のワインかけです。
メロンは細切りにして、生ハムと一緒に食べるのがクラッシックな食べ方ですが、このような薄切りでバラを描いて綺麗(^^♪
フレッシュ系で、季節は夏です。

ムロン・オ・ヴァン・ドゥ
フォアグラで~す(^^♪
フォアグラ
フォアグラ・ミ・キュイ
フォアグラは、テリーヌという言い方もありますが、ミ・キュイともいいます。
フォアグラは酢と砂糖で野菜や果物を煮込んだ〚シュトゥネイ〛の付け合わせがオーソドックスです。

フォアグラ・ミ・キュイ( フォアグラのテリーヌ)
パイナップルとも合います(^^♪

フォアグラ・ミ・キュイ( フォアグラのテリーヌ)
クレームブリュレ・オ・フォアグラ
フォアグラのクレームブリュレです。ちょっと、デザートのような気がしますが、前菜です。
クレームブリュレにフォアグラを混ぜて型に流し込んで焼いています。
付け合わせは、〚パン・ドゥ・エピス〛といって、香辛料のカネルを使い、ハチミツがたっぷり入っています(^^♪このパン・デゥ・エピスもフォアグラと一緒に出されます。

クレームブリュレ・オ・フォアグラ( フォアグラのクレームブリュレ)
エスカロープ・ドゥ・ファアグラ
フランパンで焼いてフォアグラに、生クリームで味付けしています。フォアグラ自体の味も濃厚ですが、それにバターと生クリームで焼くので、濃厚度2重です。

エスカロープ・ドゥ・ファアグラ(フォアグラのポアレ)
フォアグラ系は、季節は通年です。
トマト
トマト・モザレラ
スライスしたトマトとモッツァレラのチーズの黄金のコンビネーション(^^♪

トマト・モザレラ (トマトとモッツァレラのチーズ
トマトとモッツアレラチーズはやはり夏が美味しいです。
根セロリ
セロリ・ラヴ(セルリアック)
根セロリ(セルリアック)の、マヨネーズ合えです。 シンプルですが、冬の引き立て役になり、食欲をそそられます(^^♪
根野菜のセロリは冬が美味しいです。

セロリ・ラヴ(根セロリ(セルリアック)のマヨネーズ和え)
そして、焼きカマンベールです。
カモンベール(カマンベールチーズ)
カモンベール・ロティ
カマンベールチーズに白ワインをかけて丸ごと、焼いてます。
生で食べなくても、このような焼きタイプも美味しいです。

カマンベール・ロティ (カマンベールのオーブン焼
焼きグリルが美味しいのは冬です。
まとめ
フレンチ料理の前菜の定番をご紹介しました。
前菜は見た目勝負で、色とりどりに飾りつけで頑張っています。
名前は、野菜が決まっていれば、野菜名を使います。
とはいえば、前菜にはフォアグラが無くなることはなく、常に登場する前菜で、飾りを多くしても、フォアグラの○○となり、どんな野菜と組み合わせようが、変化なしです。
前菜の定番は、ウフマヨのようなシンプルなものは、定番だけあり、飾り付へが微妙に変わり、常にカフェの人気メニューです。
いつも斬新なものが出ているようにも思いますが、定番の良さってあるものですね。
前菜で今の人気は、モッツアレラチーズです。 こちらもどうぞ(^^♪