フランス料理の野菜には随分珍しいものがあります。
日本とは違い、火山も少ないフランスの土壌は、ミネラルの含有率も高く、いわゆる硬質水。
同じ野菜でも食感や味が違っていて、濃い味の野菜があり、形が随分違っているなと思ってます。
また、キノコの種類が多く、
料理のお皿には、それぞれの特徴を生かしてガルニチュールとして登場しています。
キノコは生を使って調理するにこしたことはないですが、季節を超えて使えるように乾燥キノコも結構あるのです。
それなら、お土産に持って帰って自分で料理もできます。
フランス特有の野菜やキノコをご紹介します(^^♪
フランス料理の野菜とキノコ
フランスの野菜で珍しい野菜から。
フランス料理の珍しい野菜
日本料理なら、旨味を引き出す「カツオ・昆布」がベースですので、味が強い野菜はすくないのが、
その点、フランス料理では濃い味の野菜があります。
味の濃さでいえば、
フヌイユ
「フヌイユFenouil」といってセリ科の植物で、日本では「ウイキョウ」といっています。
胴が真ん丸になっていて、そこから上には何本かに分かれています。
味はセロリを少し薄くした、またはアニスの味で、
下の白く丸い根元の部分から上のグリーンの葉の部分まで、スライスして焼き、ガルニチュールに。
また、葉っぱというのか、上のひらひらの部分は、お肉や魚の上に置くと、アクセントにしてつかっています。
オンディーブ
「オンディーブ Endive」といって、東地中海沿岸原産のキク科の一種で白い小さな細長い野菜で、
日本では「チコリー」と言っています。
フランスでは冬の代表的な野菜のひとつですが、いまは温室栽培で夏にも出回っています。
白菜を小さくしたような形で、
独特の苦味があります。
じっくり煮込んでスープにしたり、
細かくきってサラダにして食べるのもお薦めです。
干しレーズンなどを入れると、甘みが出て苦み消しで、食べやすいです(^^♪
アルティショ
「Artichaut アルティショ」といって、キク科の植物で、日本では「アーティチョーク」という名前で知られています。
真ん中の芯から、放射状に厚めの葉が巻いているような野菜です。
茹でて、1枚づつ剝がしていきます。
食べる部分は、真ん中の部分で、
- ビネガー
- バルサミコソース
を半々にしてまぜ、西洋マスタードを混ぜたソースで食べると美味しいです。
最後に、台の部分がでてきます。毛がついていますので、全部とりのぞけば出来上がりです。
アルティショのサラダ、出てくる部分は台の部分です。
サーモンと卵をどけました。
スライスされています。
マシュ
「マッシュ Mâche」といって、 ナッツのような風味がある小さなサラダ菜で、日本語で「ノヂシャ」といっています。
フランスではよく見かけるサラダ菜で、小さくて可愛い形をしていて、食べやすいのです。
塩コショウもなして、カマンベールチーズとミニトマト、バルサミコソースで(^^♪
冬の11月頃から3月までが旬ですが、スーパーでは年中売っているので、とても便利です。
葉の根元に砂粒が残っていることが非常に多いので、しっかり泥を落とさないと、じゃりじゃりです。
パタット・ドゥース
「Patate douce サツマイモ」は、日本のサツマイモに比べると色がずっとオレンジががっています。
外から見るとわかりませんが、中はほぼオレンジで、粘りは日本のサツマイモより水気が多いです。
フランスでは焼き芋にして食べるのはなく、ガルニチュール(付け合せ)にします。
ガルニチュールですが、このパタット・ドゥースはお皿の真ん中において(^^♪
作り方は、水で煮て柔らくして、最後に牛乳と混ぜてピューレ(ムスリンと言うかは微妙です)にします(^^♪
ベトラブ
「Betterave べトラブ」といいます。赤ビーツのことです。
フランスではべトラブはとてもメジャーな野菜で、
すでに煮てあるべトラブも売っています。
匂いで土臭い面がたまに傷でしょうか。
ミントを乗せると匂い消しになります。
セロリ
「Céleri rave セルリ ラヴ」と言い、根野菜の代表選手です。 セロリというと長細いセロリをイメージしますが、こんな丸型です。
切ると、こんな感じです。
セロリの香りがします。
根野菜で、歯ごたえがあるので、生で千切りサラダに使うことが多いです。
旬は秋冬です。9月くらいから3月いっぱいくらいまで、スーパーに。
パネ
「パネ panais」といって、 同じく根野菜で、日本では「パースニップ」といっています。
Panaisの見た目は、色は白ですが、ニンジンと似ています。食べてみてもニンジンの味がします。
ニンジンは切ると中央が円になっていますが、パネも同じで食感が似ています。
フランスではここ最近ポピュラーになってきました。レストランやビストロではピュレの付け合わせになっていることが多いです。
次にはキノコです。
フランス料理のキノコ
ジロール
「girolle ジロール」は、黄色のキノコです。日本語で「アンズタケ」といっています。
旬は秋で、市場でもスーパーでも、ドーンと並んでいますが、マッシュルームに比べて10倍もして、高級品です。
大きさも色々ですが、中は白く肉厚なので、ソテーをしてもた食べ応えがあります。
羊の肉肉汁でソテーしました。
アンズタケと言われているだけあり、新鮮なのが手にはいると、アンズの香りが若干するかなと感じます。
食感は、日本のシイタケより噛み応えがあって、ひらひらを感じます。高めなのは、味がハーモニーというのか、重奏をかなでる感じ(^^♪
プルロット
「Pleurotte プルロット」といって、
フランスではメジャーなキノコで、日本語で「ヒラ茸」です。
同じキノコでも、ジロルよりは、味が軽めで、よりシイタケの触感に似ています。
肉厚でしっかりとした食感です。エシャロットのみじん切りと一緒にバターでソテーが良いですね。
エシャロットは紫のエシャロットにしました。白より味が濃く、バターで炒めると、まったりした食感になり、プルロットと合います。
プルロットのソテーの仕方は、最初にエシャロットを細かく切って、フライパンでオリーブオイルで炒め、少ししなしなになってから、割いたプルロットを入れてさらに炒めます。
5分くらいで火が通りますので、最後にバターを入れます。ソースは赤ワインのベースで醤油を少しいれました。
【プルロット】は値段がもおやすめ。黄色(ジョーヌ)は高いです。
シャンピニョン・ドゥ・パリ
マッシュルームをフランスでは、「シャンピニョン・ドゥ・パリ」と言っています。
値段は、ジロルやプルロットと比べてずっと安く、1パック100円です。
このマッシュルームは白ですが、ピンクのもあります。
「Champignon de Rose シャンピニョン・ドゥ・ローズ」といって、ピンク色のマッシュルームですが、少し茶色がかっていて、
味は白のマッシュルームとほとんど一緒です。
まとめ
土壌が違いますので、野菜は随分と違うものがありますね。
野菜の付け合わせは、肉料理を食べたときに胃もたれをさせなくなる役ももちろんありますが、いまのフランス料理では、ガルニチュール(付け合せ)として、色どりの役が大きいです。
キノコ類は水分を含んでいますので、サッと炒めるのが味も落ちなくて済みます。
ガルニチュールとしても、色どりもありますが、高級なキノコはおもてなしに喜ばれますね。