フランスの「生バター」をご紹介します。
生バターはCruといい、発酵バターと言われるものと違い、熱処理がされていないバターのことです。
日本では発酵バターと言われいますが、普通のバターとくらべても美味しいです。有名なフランスの生バターの魅力を見てみましょう(^^♪
またブルターニュのル・ガルの生バターを追加しました。
フランスの生バターの特徴(色や風味)
バターはフランス料理のバターソースに欠かせない素材です。 中でも生バターは特異な位置を占めています。
熱処理をせずに作ったバターのことを「生バター」と言い、パッケージには「CRU 生」と書かれていますすが、味が芳醇です。
生バターの特徴1.色
生バターの特徴として、色が濃いのです。 他の殺菌して作ったバター、メーカーの6品で色を比較してみました。
1 ル・ガル
2 パンプリ―
3 オー・ボン・ブール(生バター)
4 ボルディエ
5 エシレ
6フォンテーヌ・デ・ヴーブ(生バター)
6品を比較すると、色は③のオ―・ボン・ブールと④のボルディエが際立って黄色に近く、その次に⑥のフォンテーヌ・ デ・ヴーブが黄色に近く濃いのがわかります。
高熱処理をしていない2つの黄色が濃く、熱処理をしているボルディエバターも濃いという結果でした。
フランスの生バターの特徴2.味と風味
熱処理をしていない生バターは色が濃いことがわかったと記しましたが、そのほかに良い風味もよいのです。
次の章では、フランスで食べられるいろいろな生バターをご紹介します。
フランスの生バターの有名生産メーカー
フランスの主な生バター名前
フランスの主な生バター6品をそれぞれ詳しくご紹介します。
・オー・ボン・ブール
・フォンテーヌ・デ・ヴーブ
・ベイユヴェール
・ピオ
・ル・パニエ・ドゥ・レオ二
・ル・ガル
オー・ボン・ブール
パ・ドユ・カレ県(ノルマンディーより東)にある「オー・ボン・ブール」は日本ではまだまだ知られていない生産家ですが、生粋の「生バター」を作っています!
この青ラベルが、半塩といって、塩分が3%以下のバターです。
この青のパッケージのバターは、タルティーヌにして食べるのがお薦めです。
また、この下の茶色のラベルは、黒トリュフ入りの生バターです。ジャガイモのピューレなどがおすすめです。
生バターの特徴として、紙を開けたときに、その独特の香りというか臭いが鼻をつきます。「これぞ、生バター!」ですね。
トリュフ入りのがありますが、売り切れが多いです。
フォンテーヌ・デ・ヴーブ
このフォンテーヌ・デ・ヴーブのバターの意味は、「未亡人の泉」で、風変わりな名前ですね。
一度倒産をして、同じ地域の他社に買い取られて販売されています、もともと生バターをつくるノウハウを持っているメーカーが稀ですので、買い取られることになりました。
スーパー品で、手ごろな値段で買える、納得の味です。
ベイユヴェール
「ベイユヴェール」はナント市の近郊にあるマシュクールという町で作られている「生バター」です!
ラベルに「CRU」と書かれています!
バター作りには、殺菌すると菌が繁殖しないので、生産するのは簡単なのですが、風味をも殺してしまうので、殺菌はしないでバターを作るのが主義と、ベイユヴェールの社長はおっしゃっています(^^♪
ナントは、海岸が近くにあり、ノワールムチエという島で採れるクリスタルの岩塩も使って、バターを作っています。
生バターは、フライパンで焼く料理よりも、パンにつけて食べるのが一番美味しいと思います。
生バターの賞味期限は通常一か月、作りたてが美味しいです。
このべイユヴェールのバターは、ミシュランの星付きレストランの「グラン・ヴェフール」で、出されています。
今ではパリ20区の各区には勿論、フランス中で、また日本でも販売されるまでになりました。
パリのギャラリーラファイエットのグルメ館以外でも、パリ市内20区で売られています。
楽天はこちらです↓
自然食品スーパーの生バター
今は農薬をなるべく使わない商品を扱っているビオのスーパが、フランスでブームになっています。
ビオのスーパーから出ている生バターです。「CRU」と書いています。
生バターですので、味わいがあります。
値段は、125グラムで大体2.5ユーロですので、有名ブランドの生バターと同じくらい高めです。自然派志向の方にお薦めです。
ル・パニエ・ドゥ・レオ二
地道にノルマンディー地方のル・アーブルでバター生産をしている、家族経営の〚ル・パニエ・ドゥ・レオ二(LE PANIER DE LEONIE )〛があります。
フランス料理の評論家のぺリコ・レガス氏が「本当の金だ!」とフランスサンクのテレビ番組でコメントした程、品質が認められているバターです。
ラベルの「CRU」と書かれています。
それもそのはず、工場生産なら6時間で作るところを(最短で6時間、通常1日から2日)、このル・パニエ・ドゥ・レオ二のバターは作るのに、5日もかけているのです!
風味を損なわないように殺菌をしないで、全て手製で作るとそれだけの日数が必要ということでした。
値段は250グラムで 2.4ユーロと他の生バターと比べて安いのですが、パリに販売店がありませんので、ル・アーブルまで行かないと買えません。(^^♪ ル・アーブルは漁港で、近所に岸壁で有名なエトロタがあります。
住所 :2 impasse de la ferme fleurie CAUVILLE
電話 :02 35 30 43 27
ル・ガル
「ル・ガル」はブルターニュを代表する、発酵バターを作っているメーカーです。
これもラベルに「CRU」と書かれています!
このル・ガルは、味が柔らかく、とてもマイルドです。
カットしたら、その断面が柔らかく、パンにも塗りやすく、そのままタルティーヌにもあいます。
イベリコ豚の生ハムとカナぺを作りました。
ボルディエのバターは生バター?
フランスのノルマンディー地方、サンマロにあるボルディエバターは世界的に有名です。
〚ボルディエ〛は、ジャン・イブ・ボルディエさんが1980年作ったバター会社です。
ボルディエが今の名声を得ることになったのは、パリの5つ星ホテル〚ル・サンク (le Cinq)〛の料理長エリック・ブリファー(Eric Briffard)さんに発見され、ホテルで使われた背景がありました。
世界的に有名なボルディエバターですが、生バターではないのです。
ですので、生かそうではないかのみで、バターの味の良し悪しが決まるわけではないのは確かなようです。
最後にフランスのバターの生産過程をご紹介します。
興味のある方だけ、ご覧ください。
フランスの生バターの生産過程
生バターの生産過程をご説明しますが、作っているメーカーは少ないのです。それで特異な位置を占めています。
フランスの生バターの生産工程
通常、発酵バターは2日かけて作りますが、工程の中で、牛乳を約45度から72度で数秒殺菌をします。
この熱処理をせずに作ったバターのことを「生バター」と言い、パッケージには「CRU 生」と書かれています。
生バターは、味が芳醇です。
作る過程で殺菌処理をする、しないで味が変わってくるからです。
バターの作る工程は以下の通りです。
- 回収した牛乳を遠心分離機にかけて、生クリームを作る (écrémage)
- 殺菌する(約45度から72度で数秒殺菌) (pasteurisation)
- 約5度位の低温で生クリームを6時間から20時間寝かせ熟成させる(maturation)
- タンクでバター打ちをして、粒上にして、水洗いをする (barattage et lavage)
- 塩をまぜる。塩の割合で無塩有塩となる (salage et malaxage)
- 型取り、包装パッキング (moulage)
生バターになるかどうかは、この〚2〛を指しています。
フランスのバターの高熱処理
熱処理をすると生乳の細菌を殺せるのでそれはそれで良いのですが、芳醇な風味がなくなります。
また生バターは賞味期限が短くなります。
ですので、生産して直ぐ売りさばけるルートがないといけません。
そんな理由でフランスでもこの生バターを作っているメー カーは少ないのです。
フランスの生バターはCRU(クリュ)
生バターのパッケージにはフランス語で「CRU」と書いてあります。 生の意味です。
やはり、生バターが美味しいです。 www.sakurakodesu.xyz
まとめ
フランスのバターが芳醇と言われている理由には、肥沃な土壌で育った牛の牛乳を使い、そのバター製造技術があります。
発酵バターで知られる、フランスバターですが、その中でも熱処理の温度で生バターは、その独自な味があります。
ミシュランの星を獲得したシェフの舌に認められ、世界中の消費者への手元へ届けられるようにもなりました。