ボルディエ、ベイユヴェールなどは高級バターですが、これらの高級バターが日常的にフランスの家庭で食されているのかといえばそうではないのです。
なぜなら、フランスのノルマンディー地方や、ブルターニュ地方のバターでAOPバターがあり、どれでも美味しく、手頃な値段だからなのです。
そこでこの記事では、フランス人が日常的に食べているバターをご紹介します。
- フランス人が日常的に食べるAOPバター
- フランスのスーパーとデパートで売られるバター
- フランス人が買う審査員に評価された日常品なバター
- 高級バターではないバターの値段
- まとめ・バター消費量が多いフランスの現状
フランス人が日常的に食べるAOPバター
フランスバターの規格に「AOP」というのがあり、Appellation d’Origine Protégée (A.O.P.) です。 原産地統制呼称となっている規格で、そこで材料が採れましたよというものです。
フランスのバターには、このAOPがついているバターが多く、これを大体のフランス人が食べていて、美味しいです。
バターにお金をかけるフランス人もいますが、大概はそうでもありません。 ボルディエ、ベイユヴェールなどは高級バターで、大体5ユーロくらいです。
普通のバターの値段は250グラムで2,5ユーロくらいからあり、AOPバターで3ユーロくらいです。 それで十分美味しいので、高級バターは食べないのです。
フランスのスーパーで売っているAOPバター
AOP規格は、フランスの乳製品の、
* バター
* 生クリーム
* チーズ
にあり、各地域がそれぞれに申請し、発行されるものです。
バターに関しては、
* シャロント・ポワトゥー(Charentes-Poitou)
* イジニー(Isigny)
* ブレス(Bresse)
* シャロント(Charentes)
* ドゥ・セーブル(Deux-Sèvres)
の5地域でAOPがあります。
つまり、これら5つ以外の地域にはAOPバターはありません。
ノルマンディー地方やブルターニュ地方の西海岸、東部のブレスのあたりたりが、酪農の有力地帯で、規格なしのバターを作り売れています。
どれを買ってもかなり美味しのです。
フランス人が日常的に食べるバター
以下がフランスでよく食べられているバターで、中にAOPバターがあります。
- エル&ヴィーヴル
- プレジデント
- グランフロマージュ
- ボンメエネ
- パンプリー(AOPバター)
- イジニー(AOPバター)
- ル・ガール
フランスのスーパーとデパートで売られるバター
デパートや専門店で売られているバターと、スーパーで売られているバターについては、
デパートや専門店で売られるバター
デパートやバター専門店までいかないと売っていないのは、
ボルディエになれば5ユーロ台です。
大半のフランス人はスーパーに売っている手頃なバターを購入します。
フランスの日常品のバターが売っているスーパー
フランスのスーパーというと、
- モノプリ
- カルフール
- オシャン
- ルクレール
- フランプリ
などがあります。 日常的に買うバターは、価格帯が大体2ユーロ~3ユーロです。
エシレバターでも3ユーロ台です。
フランスでは、同じメーカーの同じバターでも、各スーパーで小売価格が違います。
ルクレールやカジノ、アタック、フランプリ、U(ユーという名前)、などのスーパーで、独自のブランドのバターをだしています。
フランス人が買う審査員に評価された日常品なバター
ボルディエとスーパーで売っているバターを比べると、倍もの違いがあり、粗悪品かというイメー時もありますが、そんなことはありません。
新聞の審査員にも、評価されていて、手頃な値段のバターが評価されています。
エル&ヴィール・ノワズィ(Noisy)
ノワズィは、エル&ヴィーヴル(Elle &Vivre)というメーカーのバターです。
エル&ヴィーヴルは、広く生クリームを生産しているメーカーです。
ケーキやクリーム料理作りに向いています。
なんの変哲もないパッケージですが、2012年にエクスプレスという雑誌が行った審査員の「お試し食」で、値段、味、バランスで無塩バター部門で1位になりました。
日本ではネームバリューがゼロですが、実際にバランスがとれて、値段も安く、今2019年になってもずっとパッケージも変わらず、バターコーナーで人気です。
エル&ヴィール・コンデ・スール・ヴィ―ル(Condé sur vire)
このコンデ・スール・ヴィ―ルも、エル&ヴィールからでているブランドで、同ラインのバターです。
このメーカーは生クリームを多くだしていますので、買いやすいのですね。
プレジデント(Président)
このプレジドン(フランス語読みで、プレジドンです)はどこのスーパーでも置いており、会社が大きいので、大量生産ができ値段もかなり安いのです。
このメーカーはチーズもあり、大手企業で多くだしていますので、買いやすいですし、スーパーで占める割合も大きいです。
250グラムが6個で約4800円で、1つ800円くらいです。 まだ食べたことがなければ食べて見てください。パンに付けてもいいですが、ソテーなどは中々いけます。
ブール・オ・クリスタル・セル・エ・メール・ドゥノワルムチエ
ノワールムチエのフルール・ド・セル(塩の花)入りです。
フランス語でパッケージには、
「Beurre aux cristaux de sel et mer de Noirmoutier, Grand Fermage」と書いています。
グラン・フェルマージュ(Grand Fermage)というメーカーから出ている、フランス西海岸のノワールムチエの塩の花入りの半塩タイプのバターです。
ノワールムチエは大西洋のブルターニュ地方の離島で、この花の塩の名産地です。
クリスタルになっている塩が程よくバターにはいっていて、食べると口の中でふっくらとしたバターが口の中で広がります。
パンと食べてもその味わいが長く続きます。上記のエクスプレスの審査員よりお薦めされています。
ボン・マイネ(Bons Mayennais)
このボン・マイネは、ヴォベエルミエ( Maison Vaubernier)社で作れています。
おばあさんとおじいさんの二人がパッケージになっていますが、このバターの他に、カマンベールチーズ、ブリ、クルミエなどの白カビチーズも生産しているため知名度も高いのです。
また、値段が他のバターよりずっと安く、2ユーロしない割には、丁寧に作らており、美味しいのです。
ではAOPバターを見てみましょう。
パンプリー(Pamplie)AOPバター
パンプリー社のバターです。
パンプリーは、会社組織ではなく、地元に根ざした共同体の組織です。工場の半径たった30キロの範囲の農家から牛乳を運んでいます。
ですので、牛乳もかなり新鮮は状態からバターが作られます。
どのスーパーでも売られていますので、知名度もあり、エシレバター程値段が高くないです。
それでいて品がある味です。
イジニー(Isigny)AOPバター
イジニーはノルマンディー地方のメーカーです。
バターの他にも、生クリームも作っています。
イジニーは、ノルマンディー地方を代表するメーカーで、この辺りの大手メーカーで街を代表している乳製品を生産をしているのです。
価格帯は、上記のパンプリーと同じくらいです。
AOPバターでは、今回パンプリーとイジニーをご紹介しましたが、個人的には、パンプリーは料理がしやすく、味の奥行があるかなと感じています。
ル・ガール(Le Galle)
「ル・ガール」はAOPバターでありませんが、「イズニー」より値段が高いく、それでも売れています。
ですので、AOPの認証はあくまでも、目安です。
ブルターニュ地方は、海があり、フランスでも酪農の有数地帯で、AOPがなくともいいバターがあります。
高級バターではないバターの値段
以下の値段は2021年の値段です。
エル&ヴィール・ノワズィ(Noisy)2.69
エル&ヴィール・コンデ・スール・ヴィ―ル(Condé sur vire)2.29
ブール・オ・クリスタル・セル・エ・メール・ドゥノワルムチエ2.39
ボン・マイネ(Bons Mayennais)2.15
プレジドン(Président)2.15
パンプリー(Pamplie)2.65
イジニー(Isigny)2.65
ル・ガル(Le Galle)2.65
今年、2022年は2,8から3,2ユーロくらいになっています。
値段は各スーパーで違い、モノプリがフランスプリより安いものもありますが、AOPバターを含め大体2~~3,2ユーロで買えるのです。
これが、日本に輸入されると2500円くらいになっています。プレジドンはハーフサイズで約800円ですので、安く感じますね
まとめ・バター消費量が多いフランスの現状
フランスで良く売れているスーパーで売っているバターと、AOPバターをご紹介しました。 意外の思われるかもしれませんが、フランスでは3ユーロ(2022年は3,2位になっています)以下のバターが主流です。
フランスではバターの消費量も多いですので、良く売れているバターは値段が安いものです。
フランス人が高級バター志向でないということはないのですが、わざわざデパートまでは買いに行かないのです。
また、今回ご紹介したバターはパリのレストランでも使われているのです。そう高くもなく、しっかりとした人気のバターです。
バター料理は、バターの値段よりも焼き方や火入れで変わるので、高級バター意外でも試して見てくださいね。オススメです。