フランスのバターを食べ比べました。
メーカーにはエシレ、ボルディエ、ベイユヴェールなどあり、その他にも、日本では知られていなくとも、フランスで有名なバターもあります。
「生バター」「発酵バター」について、製造法をお伝えするとともに、実際に食べ比べた、私の口コミをお伝えしたいと思います。
- フランスのバターを食べ比べ・メーカーリスト
- フランスの発酵バターと生バターの違いと製造過程
- フランスの有名バターの食べ比べ
- フランスの珍しいバター
- フランスでバターが買える場所
- 日本への持ち帰りと注意点
- まとめ
フランスのバターを食べ比べ・メーカーリスト

地図でご覧になれますように、フランスのバターメーカーは、海に近い地域に集中しています。
フランスの有名なバター
西海岸ブルターニュ地方、フランス北のノルマンディー地方には有名なメーカーがあります。
特に有名なのは、以下の8つのバターメーカー(商品)です。
-
- ル・ガール(le Gall)
- イズニー(Isigny )
- フォンテーヌ・デ・ヴーブ(Fontaine des veuves) (生バター)
- パンプリー(Pamplie)
- エシレ(Echiré) )
- ボルディエ(Bordiers)
- ベイユヴェール(Beillevaire)(生バター)
- オー・ボン・ブール(Au bon beurre)(生バター)
多くのバターメーカーの中でも、エシレ、ボルディエ、ベイユヴェールなどが有名です。
特に「エシレ」は長い間味の良さで王座に君臨していました。ですが今ではエシレよりも三ツ星レストランで使われるようになったバターも登場しています。
フランスの発酵バターと生バターの違いと製造過程
発酵バターと生バターについて見て行きましょう。
フランスの発酵バターとは?
フランスバターには、日本語で「発酵バター」と書かれています。
しかし、本国のフランス語のラベルには、発酵バターと書かれいません。

フランス語で発酵は、Fermentationですが、そのような表記はありません。
それに対して、生バターというのはあります。
フランスの生バターとは?
生バターは、フランス語で「CRU」で、生の意味です。

高温殺菌をしていないのが、生バターです。
先ほどみましたリストの中で、
フォンテーヌ・デ・ヴーブ(Fontaine des veuves) (生バター)
ベイユヴェール(Beillevaire)(生バター)
オー・ボン・ブール(Au bon beurre)(生バター)
これら3つは生バターを作っています。
フランスのバターの製造過程
フランスで販売されている、バターのパッケージには、発酵バターとは表記されていません。
ワインには発酵の過程がありますが、バターにはその発酵の過程がないからです。
しかし、発酵バターという言い方をしています。
発酵にまつわる、フランスのバターを作る工程は以下の通りです。
- 回収した牛乳を遠心分離機にかけて、生クリームを作る (écrémage)
- 殺菌する(約45度から72度で数秒殺菌) (pasteurisation)
- 約5度位の低温で生クリームを6時間から20時間寝かせ熟成させる(maturation)
- タンクでバター打ちをして、粒上にして、水洗いをする (barattage et lavage)
- 塩をまぜる。塩の割合で無塩有塩となる (salage et malaxage)
- 型取り、包装パッキング (moulage)
発酵はされていませんが、発酵に近い工程は「3」になります。
分離して作られた生クリームが長時間寝かされ、厚みのある重厚なバターに仕上がっていく大事な過程です。
通常これらの過程(1~6)は最低2日はかかりますが、フランスのスーパーで販売されているバターの中には6時間で作られる、コストを安くしているものがあります。
名前はどれとは言えませんが、有名メーカーのバターは2日はかけて作っていますので、風味もよく美味しいです。
また、「生バター」に関しては、温度によるものです。 生バターになるかどうかは、この「2」を指しています。
熱処理をすると生乳の細菌ををも殺菌できるのはいいのですが、芳醇な風味がなくなります。
そんな理由でフランスでもこの生バターを作っているメー カーは 少ないのです。
それではボルディエやエシレむ含む、有名なバターをご紹介します。
フランスの有名バターの食べ比べ

先ほどのリスト
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- ル・ガール(le Gall)
- イズニー(Isigny )
- フォンテーヌ・デ・ヴーブ(Fontaine des veuves) (生バター)
- パンプリー(Pamplie)
- エシレ(Echiré) )
- ボルディエ(Bordiers)
- ベイユヴェール(Beillevaire)(生バター)
- オー・ボン・ブール(Au bon beurre)(生バター)
を順番にご紹介します。
フランスの有名なバター
それぞれの特徴をお伝えします。 オー・ボン・ブール、フォンテーヌ・デ・ヴーブ、ベイユヴェールの3つは「生バター」です。 これらは中でも特に賞味期限も短いものです。
それでは、それぞれのバターの特徴や感想をお伝えします。
ル・ガールとイズニー


「ル・ガール」と「イズニー」は、安定感のあるバターで、スーパーでも売っていますし、広く愛されているバターで、美味しいです。
それ以上に美味しいバターには何かがあると思い、次のバターを試食しました。
フォンテーヌ・デ・ヴーブとパンプリー


フォンテーヌ・デ・ヴーブのバターは日本では知名度が低いです。名前がフォンテーヌ・デ・ヴーブ(未亡人の泉)なんて風変わりな名前ですね。
フォンテーヌ・デ・ヴーブは会社の歴史としては2004年に一度倒産をして、同じ地域のパンプリーに買い取られて販売されています。
フォンテーヌ・デ・ヴーブはなんと言っても、生バターです。その分美味しいです。
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パンプリ―はあまり期待しないで試食したのですが、ホットケーキなどを焼くと「ふわ~っと」なるのです。
このパンプリーも、有名シェフが使っているバターです。値段も安く抑えられています。モノプリや、フランプリのスーパーで買えます。値段の割にとても美味しいバターです。
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エシレ

さて〚エシレ〛のバターはどうかですが、なんと言ってもエシレバターは、バランスのとれたエレガントなバターと言えるのではないでしょうか。
シャロント・ポワトゥー地方はフランスでも有数なバター生産地帯で、パンプリーやフォンテーヌ・デ・ヴーブと同じ地域にあります。
少し高めのレストランに行くと、パンと一緒にバターが出されるバターは、エシレバターです。また高級志向のフランスの家庭で使われています。
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ここからは、少し値段が高めのバターをご紹介します。
ボルディエ
「ボルディエ」は、ブルターニュ地方のサンマロで生産アトリエで乳製品の販売と、またレストランを経営しています。ボルディエバターの特徴はなんと言っても、その沢山のフレーバーでしょう。
値段で言えば、フランスのデパ地下で売られているバターの中で一番高いです。

ではなぜそこまで高い?と言えば、三ツ星レストランの「ル・サンク」のエリック・ブリファールシェフが、このボルディエバターをレストランで使ったことで、とても有名になった背景は無視できません。
ボルディエバターの「柚」味で試してみました。柚味が全面に出ないで、素材とマッチします。
この柚バターで生ハムのサンドイッチを試してみましたが、イベリコハムのような濃厚な生ハムには凄く合います。料理だけに限らず、応用範囲が広いバターです。
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ベイユヴェール
ベイユヴェールは、ロワール地方のナント付近にあり、「生バター」で、風味があります。ナント市の南西にあるマシュクール(Machecoul)という町にある家族経営の生産工場です。
社長のベイユヴェールさんが35年前に工場を立ち上げました。
このバターがスーパー品と違う一線を引いている点は、独自のルートの直営店で売っていることです。

このバターには海藻と、ノワールムチエ等の塩が入っています。塩にさらに海藻を混ぜることで、海の香りが更に増します。
風味の良い生バターですので、カキとも大変相性が良いです。
ベイユヴェールが有名になったのは、これも二つ星のレストラン「グラン・ヴェフール」のシェフ、ギイ・マルタンさんがレストランで使うようになったことで、知名度が上がりました。
オー・ボン・ブール
パ・ドゥ・カレ県(ノルマンディーより東)にある「オー・ボン・ブール」はまだまだ知られていない生産家ですが、生粋の「生バター」を作っています!
先ほどのベイユヴェールと同じ、生バターです。紙を開けたときに、その独特の香りというか臭いが鼻をつきます。同じ生バターでも値段が手ごろです。
ボルディエバターは、色々な香辛料を上手に使っていますが、このオー・ボン・ブールのトリュフ味も、お薦めです。
新鮮なトリュフを手に入れるのが難しいです。そんな時は、このトリュフ入りのバターを使って、ジャガイモのピューレを作ると、レストランで食べるような、トリュフ入りのジャガイモのピューレができます。
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ピューレには、ジャガイモ1キロに対して、バターが100グラムくらいです。
それとひとつ珍しいバターをご紹介します。
バッファローのバター
バッファローのバターとは、なかなか食べる機会がないかと思います。
モノプリで見つけたバターです。


意外だったのですが、色がほとんど白です。味はというと、あっさりめの味です。
芳醇でなバターより、少し変わったものが食べたいという方にお薦めです。
ル・ポンクレ
ポンクレはブルターニュ地方の2011年に出来たバターです。

このル・ポンクレの創始者の経歴は風変わりで、酪農家ではなく、フランスのビジネス系の名門学校、HECという学校の卒業生なのです。
名前はダビド・アクパマグボさん(David Akpamagbo)です。
このル・ポンクレのバターは、厳選したの飼育です。出来上がったバターの色も実に濃く、風味もあるようですね(管理人は残念ながら食べたことがありません)。
そして値段もボルディエを上回るものです。徹底的な高級志向なんですね(^^♪でも、厳選されたバターだから値段が高くて売れるという訳ではありませんね。
このバターはパリの三ツ星レストランが顧客なのですね(^^♪
- アラン・デゥカスのプラザアテネ (le Plaza Athénée)
- ラセール( Lasserre)
- ジョエル・ルブルション( Joël Robuchon)
などです。これだけ三ツ星のレストランで出されていれば、納得の品質と太鼓判を押されたという宣伝はばっちりですね(^^♪
事実お値段は破格です!「自分のバターをどうやって選ぶ?」の記事の中で
ル・ポンクレのバターの値段〚150グラムで 6ユーロ( 6 euros les 150 grammes)〛 引用元: https://www.academiedugout.fr/articles/comment-choisir-son-beurre_2915
とあります。
上記の4社の値段をキロで計算し直すと
- エシレ 14ユーロ/キロ
- ベイユヴェール 17ユーロ/キロ
- ボルディエ 22ユーロ/キロ
- ル・ポンクレ 40ユーロ/キロ
の様になります。
ル・ポンクレのバターに関しては、「自分のバターをどうやって選ぶ?」の記事が2015年の10月でした。
現在の値段を調べるに当たり、記事で紹介されていたパリ市内のチーズ屋さんに問い合わせをしたのですが、現在はもうル・ポンクレのバターは取り扱いをしていない(もうル・ポンクレが卸さない)ということです。
今、星付きのレストランでしか食べられないということのようですね。。。。(^^♪
名声も高まり引っ張りだこのバターですが、「よし、今日は500円から奮発して、1000円出して買おう」と思っても、手に入らなくなりました。そのうち、パリの三ツ星レストランからも消えて、ニューヨークまで行かないと食べられなくなったりするでしょうか?
もう、簡単には食べられなくなったのは事実ですね。
フランスの珍しいバター
チョコレート入りバター
これは、有名なバターというより、みつけたバターで、チョコレート入りバターです。


すでにチョコレートが入っているので、ホットケーキに乗せるなど、チョコレートと一緒に風味が味わえます。
フランスバスク地方のバター
このバターは珍しく、バスク地方のバターです。
ノルマンディーやブルターニュ地方以外でもバターを作っています。

マドレーヌ寺院近くで見つけました。 フランスパンをタルティーヌにして食べました。
フランスでバターが買える場所
パリ市内で、この記事に書いたチーズが購入できるところをご紹介します。
日本への持ち帰りと注意点
日本への持ち帰りについてですが、フランスで飛行機に乗るまでと、日本に到着した後に長時間4度を超える状態だと、持ち帰りはお薦めしません。
殺菌しているボルディエバターのサイトでも次の様に言っています。
車に乗って移動する場合で、直ぐに冷蔵庫に入れられない場合は、保冷材と一緒にいれて、日光の当たる場所での持ち帰りは避けてください 引用先: http://www.lebeurrebordier.com/faq/ボルディエバター問い合わせ
大阪、成田や羽田に到着した後、国内の乗り換え便で移動しなくても、自宅まで到着するまでに、何時間もかかりますし、電車の移動中も温度が高いです。
もし、真冬で持ち帰ることができれば、税関での申告はいりませんが、生バターのベルヴェイユやオ・ボン・バーは真冬でもお薦めしません。
また、生バターの購入の時は、賞味期限を確かめてください、賞味期限は短いです!
まとめ
フランスバターの食べ比べをしてみました。
バターは日常品で、一つ高くても3ユーロで、400円くらいです。
私のオススメはベイユヴェールとオー・ボン・ブール、あとフォンテーヌ・デ・ヴーブなどの生バターです。(^^♪
フランスのスーパーで売られている、多くのフランス人が好むバターはこちらの記事をご覧ください。