
フランスのチーズの種類は1000種類とも言われ、牛乳チーズ以外の羊やヤギのチーズがあります。
これらのチーズを分類する仕方があります。それがとてもフランス的です。
高級レストランや、チーズ屋さんではそんな分類の仕方をしています。 ワインの合わせ方もチェックしてみてください。
トムのチーズを追加しました。
↓飛びたい項目へジャンプ。
フランスのチーズの分類の仕方
フレンチレストランやチーズ屋さん
分類の仕方は分類か7分類で、大体高級レストランでは6分類でチーズがワゴンにのっています。
カフェなどでh、1種類のカマンベールチーズをおいていて、その場合は、ワゴンもありません。
また、チーズの専門店では7種類分類の仕方です。
フランスのチーズの種類と6つ分類とヤギと羊
水分を沢山含んでいる熟成期間のないフレッシュタイプからハードタイプをフランス的に分けています。
- フレッシュ・チーズ
- パット・モール・ア・クルート・フルリ(型で成型した外側が白カビタイプ)
- パット・モール・ア・クルート・ラベ(型で成型した外側がウオッシュタイプ)
- パット・プレッセ・ノンキュィット(圧縮された生乳無殺菌タイプ)
- パット・プレッセ・キィット(圧縮された生乳殺菌タイプ)
- パット・ぺルシレ(ブルーチーズ) それと、
- フロマージュ・デゥ・シェーブル(ヤギのチーズ)
があります。 羊のチーズも最後に説明しています。
熟成期間のない、フレッシュチーズからです。
1.フレッシュ・チーズ(水分が多い)
牛乳を回収して熟成を経過しない、水分が多いタイプです。
種類は、
- フロマージュ・ブラン(fromages blancs)
- フェッセル(faisselles)
など。
フロマージュ・ブランは、フレッシュタイプの代表的なチーズで、味もほとんどなく淡白なさっぱりした味です。
デザートとしてジャムや蜂蜜で食べます。

フェッセルはフロマージュ・ブランと比べても水分がさらに多いです。 スーパーでも売っています。

2.白カビタイプのチーズ
フランスで一番売れているいるのが、このカマンベールです。 パット・モール・ア・クルート・フルリ(pâte mole à croûte fleurie) と言います。
フランス語で『モール』が型という意味なので、型に入れ成形した外側(クルート)が白カビ(フルリ)になったタイプのこと。
カビ菌を植え付けると外側に白カビが繁殖していきます。
熟成期間は2週間から8週間くらいで、外側にカビが繁殖して乾燥していくのに対して、中身が柔らかくなり、味に個性が出てきます。
外側の白カビは食べても大丈夫です。
種類は、
- カマンベール(camemberts)
- クロミエ (coulommiers)
- ブリ (bries)
- ナフシャテル (neufchâtels)
など。 おやつにフランスパンやクラッカーなどと、もちろん食事の際にも。 カマンベールはフランスで一番食べられているチーズで、パクパク食べてしまい、危険なチーズです。

クロミエはカマンベールよりもっとクリーミーで、脂肪分がもっとあり、その分ふっくらとしたチーズ。
カマンベールと比較すると、下の画像から右のクルミエがよりクリーミーなのがわかります(左がカマンベールで右がクルミエ)。

ブリもクルミエと同じく、クリーミーな大型のチーズです。
大型な分、熟成期間もクルミエに比べて長くなり、ブリはクルミエよりもう少ししっとり感が欲しいという場合にはぴったりのチーズ。

ナフ・シャテルもノルマンディー地方のチーズで、味はクリミエに似ていて、形がハート型が特徴。
このチーズなんと製造が中世から!ハート型で作られていたというので驚き(^^♪外側に近い部分の黄色い部分が程よく酸味が効いているのが特徴です。

カマンベールチーズの「ロティ」、オーブンで丸ごと焼いたり、グラタンに

白カビのチーズを、メインディッシュの後に、ワインと一緒になら、以下の渋みのない赤ワインがオススメです。
- アルザス地方のピノノワール
- ボジョレー
- ロワール地方のトゥレーンやアンジュ
など、その他、同じノルマンディー地方のシードル酒↓も相性が良いです。

【赤のロワール地方のアンジュ(品種カベルネフラン)↓】
カベルネフランは、とにかくフレッシュです。深みがどうというよりも口当たりがいいです。
3.ウオッシュタイプ
英語ではウオッシュタイプですが、フランス語では、 パット・モール・ア・クルート・ラベ(pâtes molles à croûte lavée)といいます。
代表的なのはマンステールです。
このタイプは、上記2のパット・モールタイプを外側を塩水洗いすると、白カビがなくなる代わりに、表面に粘りが出て、味が強くなります。
臭いと思うか、いい匂いと思うかは個人差がありますが、私はこのパット・モール・ア・クルート・ラベが好きです。
オレンジの外側は食べても大丈!風味が強~いです。
熟成は4~8週間くらい。
- マンステ―ル(munsters)
- クリュ・ナンテ・オ・クリュ・エ・オ・ミュスカデ(curé nantais au lait cru et au muscadet)
- ラングル(langres)
- アフィデリス(affidelice)
- リバロ(livarot)
- ルブルション(reblochon)
- モン・ドール(mont d'or)
マンステ―ルは、丸形の外側を塩水で洗って作ったチーズで、臭いがきついわりには、味は濃くはないのです。
このマンステールには香辛料のクミンが相性が抜群。

クリュ・ナンテ・オ・クリュ・エ・オ・ミュスカデは、真ん丸で、外側を水洗いの代わりに白ワインのミュスカデを使っている非常に珍しいタイプ。 ウオッシュタイプには珍しく、噛みごたえのあるチーズ。
このチーズを洗うミュスカデワインは、ナント地方にのみあるワインの品種です。 クリュ・ナンテ・オ・クリュ・エ・オ・ミュスカデの『表面が波の模様』がなんとも綺麗(^^♪

ラングルは、丸く固まって外側を水洗いの代わりにシャンパンを使っている非常に珍しいタイプです。
熟成期間が長くなると色が綺麗なオレンジ色へと変わり、上部のくぼみが深くなるのが特徴です。

アフィデリスは、丸く固まって外側を水洗いの代わりに白ワインのシャブリを使っている非常に珍しいタイプです。
熟成と共に色が変わり、オレンジを通り超えて、茶色に近くなり味に深みを感じるチーズ。

これら3つのウオッシュタイプのチーズを、シャンパン、白ワインのシャブリ、ムスカデで一緒にたべるのもおすすめ。
- リバロ
- ルブルション
- モン・ドール
これからチーズについては、こちら↓のラクレットチーズの記事をご参照ください。
ウオッシュタイプのチーズは主張が強~く、オレンジ色になった外側が程よい苦みを出しているので、甘めの白ワインととても合います。ボルドーワインの『ソテールヌ』だと甘すぎるので、白ワインで少し甘めの
- アルザス地方のゲヴェルツトラミナー
がお薦め。
アルザスの白ワインは適度に草の香りがします。(^^♪
4.セミハードタイプ(生乳無殺菌)
セミハードは、フランス語で、パット・プレッセ・ノンキュィット(pâtes pressées non cuites)といいます。
代表的なのはラクレットチーズです。
作り方は、上記のウオッシュタイプと同じで、直径が30㎝以上の大きな型に入れて、最初に水分を出す為に重しをかけて、水抜きをして乾燥させていきます。
大きなチーズで、乾燥させるのも時間がかかり、長期熟成して味に深みが出てきます。
外側の固い部分は食べても美味しくありません。
熟成は6カ月から2年くらいで、
- サン・ネクテール(Saint Nectaire )
- ラクレットチーズ(raclette)
- モルビエ(morbier)
など。
サン・ネクテールは、オーベルニュ地方で作られるセミハードタイプのチーズ。
セミハードとは言っていますが、カマンベールチーズよりも少しがっしりしている程度です。

長期熟成のチーズは主張が強いので赤ワインなら
- コート・デュ・ローヌ
- ガイヤック
などの、しっかりと太陽を浴びたタンニンの強いワインがおすすめです。
コートドゥローヌは、地域的に日射量も多くタンニンが強く感じます。
チーズ: トムのチーズ(殺菌タイプ)
トムですので、サボアの地方のチーズで、常温でおいておくと美味しくなります。

直ぐにも食べられるのですが、数日テーブルの上に置いておけます。

1日位すると、中がとけてきて、味が変わってきます。

固めが好きであれば、おいておくこともないですが、チーズは必ずしも、冷蔵庫に置いておくこともないもので、少ししてからが美味しいです。
5.ハードタイプ(生乳殺菌タイプ)
ハードタイプは、パット・プレッセ・キィット(pâtes pressées cuites )といいます。
代表的なのはコンテやグリュイエールチーズです。
上のタイプと似ていますが、熟成期間も1年から3年までと長くなり、固くなっており、風味がある個性豊かなチーズになっていきます。
熟成期間が長くなるほど、外側が固くなっていますので、外側は残して食べない方がいいです。
- コンテ(comté )
- グリュイエール( gruyère)
- パルメザン( parmesan)
中でも一番熟成期間が長いのがコンテで、最長3年までなるものが。

グリュイエールは穴あきのイメージですが、コンテのように、穴があいていないのが主流です。

そして、ハードタイプのパルメザン(^^♪ イタリアチーズで、塩分がピリっとするくらい効いていて、そのまま食べると歯ごたえが良いです。歯がかけそうなくらい。

お薦めのワインは、白なら
- ブルゴーニュ地方のマコンのシャルドネ
- ジュラ地方の黄色のワイン(ヴァン・ジョーヌ)
などが良いでしょう。

赤ワインなら、タンニンがあって香辛料が効いた太陽を十分に浴びた『マディラン』は、ボルドーより50キロほど南の小さな区域のまだまだ知られていないワインです。 ボルドーよりもう少し重厚なワインと合わせる場合にオススメ。
6.ブルーチーズ
ブルーチーズ(青かびチーズ)は、パット・ぺルシレ(pate perssilée)といいます。
代表的なのはロックフォールです。
このパット・ぺルシレの『perssilée』は、チーズの中にカビ菌があるタイプで、カマンベールのような外側がカビで覆われているのと対照的です。
生乳を凝固させる時に、青かびを入れてタンクで混ぜ、最後に外側を塩水洗いし熟成させます。
熟成期間が3カ月から6カ月くらい。
ハードタイプほどではないですが、外側の固い部分は食べても美味しくありません。
種類は
- ロックフォール(roquefort)
- サン・タギュール(saint agur)
- フルム・ダンベール( fourme d’ambert)
など。
ロックフォールは、羊の乳を使用した青かびビチーズです。さっぱりとした塩味がきいた食べやすいチーズです。ロックフォールは羊の生乳で、黒サクランボのジャムと凄く合います(^^♪
サン・タギュールはブルーチーズのなかでもクリーミーです。牛乳で作ったカビの味を感じないマイルドさがあります。
ロックフォールチーズは、羊乳ですので、ぽろぽろ感がありますが、このチーズは、クリーミー感では一番です。

フルム・ダンベールはクリーミーというよりは、しっかりとした食感があり、程よい青かびを感じるブルーチーズです。
そして、このチーズは、上のサン・タギュールと比べても、弾力があるチーズで、牛乳のチーズですので、ぽろぽろ感はないです。
若干、苦みがありますが、ブルチーズの苦みで食べやすいです。

合わせるワインは、重厚なボルドーの「ソテールヌ」や、ロワールの「ショーム」などの甘めなものがおすすめ。
また、ブルーチーズは、イチジクやカシスのジャムとも相性が良いのです(^^♪
ショームはロワール河の甘口の白ワインですが、日射量が少なく地域ですので、甘すぎないチーズで合わせたいときは抜群です。

フランスのチーズでヤギチーズと羊のチーズ
7.ヤギのチーズ
フロマージュ・デゥ・シェーブル(fromages de chèvres)といいます。
代表的なのはロカマドゥールです。フランスの大半のチーズは牛乳で、ヤギのチーズは変わりダネ。
ヤギ乳は生産量が少ない分、値段も高いのですが、やはりマイルド。熟成期間が1週間から数週間と短い分、食感が柔らかいのがヤギチーズの愛好家が多い理由でしょう。
- セル・スール・シェール(selles-sur-cher)
- ロカマドゥール(rocamadour)
- バノン(banon)
- フィグー(figou)
セル・スール・シェールはヤギのチーズでも、珍しく、周りを植物の灰で覆っているチーズです。ヘーゼルナッツの味を味わえます。冬の方が味が深いのですね。外側の黒い部分も食べられます。

ロカマドゥールは、ヤギのチーズでも一番有名でしょうか。形が小さく、直径が5cmで高さも1cmくらいのミニチーズです。
食感はとにかく柔らかく、食べるのが可哀想になるようなはかなさがあります。口の中でとろ~り。

バノンはヤギのチーズのなかでも、栗の葉で包まれているのが特徴ですね。(おにぎり)のようですね。
葉でくるまれて、熟成期間も長いので、味にもしっかり感が出ています。


バノン(banon)
(ヤギ)のチーズは、いろいろ変わり種が出ていますが、この『フィグー』↓が一番個性があると思うのが、イチジクのジャムが中央に入っています。ヤギのチーズとイチジクの相性は格別!
このフィグーなら、チーズとしてというより、デザートとしてそのまま「パクっと」食べるのもお薦め。
このヤギのチーズは、イチジクのジャムがはいっており、な雨がフィグーです。

ヤギのチーズには白のフルーティなロワール地方のワインなどが合います。
長くなりましたが、最後に、
8.羊のチーズ
羊のチーズは、フロマージュ・ドゥ・ブルビ(fromages de brebis)と言います。 代表的なのはオッソブイラティです。
羊のチーズは臭みもあり、ジャムとも合わせやすいです。 味も牛に比べて強いですので、牛のチーズの後に食べる方がいいです。
羊の1頭の生乳は牛に比べて20分の1と、生産量も少ないので、キロ当たり高価です。 それでも美味しい! オッソー・イラティは、スペインとの国境付近のピレネー山脈のバスク地方で作られる羊乳のハードタイプのチーズで、色目が黄色というよりは白さが目立ち、羊乳で作られていてヘーゼルナッツの香りがします。
羊のチーズというと、「癖があるのでは?」と気になりますが、さらっと食べられます。
フランスパンやクラッカーにのせて、さらに『黒さくらんぼのジャム』も一緒につけて食べると格別です。

フランス語でCerise Noirは黒さくらんぼで、この黒サンんぼのジャムは、ベルヴェーユのジャムです。。

トム・ブリュレ羊乳のトムで、燻製加工がしたチーズです。 表面は燻製されていても、中は味はセミハードのトムの味で、癖がないのが特徴です。
ミルキーな味で、ピレネー山脈やバスク地方のチーズです。

まとめ・フランスチーズを使った料理
【キッシュ】 簡単なチーズ料理では、コンテチーズなどを使った、キッシュがオススメです。
キッシュ具材としては、卵、ベーコン、刻みチーズなどを混ぜて型に入れてオーブンで焼きます。
【アリゴチーズ】
マッシュポテトにチーズを入れ混ぜたのが、アリゴチーズです。
弾力のあるマッシュポテトで、トムチーズを使っています。
マッシュポテトの上に刻みチーズをのせたチーズグラタンです。

カマンベールチーズが溶けて、それでいて、牛乳と味がなじんで、とても食べやすいです。
チーズの食べる順番
チーズを一覧でご紹介しましたが、味でいうと、牛が味がマイルとで、羊のチーズとヤギのチーズと臭いがあります。 ご参考にしてください。
ご参考になることがあれば幸いです。