『トロペジエンヌ』の名前で知られている、クリームたっぷりのフランス菓子は、タルト・トロペジエンヌ(la tarte tropézienne)です。
このデザートの命名をしたのは、あのフランス人女優のブリジット・バルドーです。
実際に映画のロケでブリジット・バルドーがサントロペで『素直な悪女』のロケ中に食べたデザートの名前なのです。
タルト・トロペジエンヌとブリジット・バルドー
ブリジット・バルドー主演の映画『素直な悪女』(仏原題Et Dieu... créa la femme )は、1956年に製作・公開されたフランスの映画です。
ロジェ・ヴァディム監督の映画で、当時監督と結婚していたのがブリジット・バルドーです。
ロジェ・ヴァディムは、パリ出身の映画監督・映画プロデューサーで、数ある映画を手掛けていました。
サントロペでロケがあり、映画ロケ一行が現地のレストランで食事を行いそこで、そこで出てきたのが、この『タルト・トロペジエンヌ』だったのです。
素直な悪女(仏原題Et Dieu... créa la femme )
髪の長いブリジット・バルドーの妖艶なダンスで、ブリジット・バルドーの名前をますます有名にさせた映画です。
トロペジエンヌとタルト・トロペジエンヌ
トロペジエンヌのフランス語では、ラ・タルト・トロペジェンヌ la Tarte Tropézienneです。
タルト・トロペジエンヌのクリーム
ラ・タルト・トロペジェンヌ la Tarte Tropézienneは、丸く焼いた円形のブリオッシュ生地の間に、ムスリーヌクリーム、ないしカスタードクリームをはさんだお菓子です。
表面にはあられ糖が振られている、シンプルなお菓子です。
クリームはカスタードクリームの場合もあります。
ムスリーヌクリームのトロペジエンヌです。
サントロペのタルト
このラ・タルト・トロペジェンヌは南フランスのサントロペ (Saint-Tropez)という町で誕生しました。
ブリジット・バルドーの映画の撮影先がサントロペだったのです。
サントロペのアレクサンドル・ミカ
タルト・トロペジェンヌという名前にしたのは、このお菓子の作者のパティシエ、アレクサンドル・ミカです。
映画の御一行がサントロペに滞在し、ロケ中にアレクサンドル・ミカは、デザート以外の食事も賄っていました。
このアレクサンドル・ミカは、サントロペに逃れてきたポーランド人で菓子職人で、パティスリー店をサントロペで開いていたのです。
ブリジット・バルドー
当時、女優のブリジット・バルドーはまだ無名だったのですが、このデザートを食べて、サントロペのタルトという名前を提案し、そこから、パティシエのアレクサンドルミカが「タルト・トロペジェンヌ」にして、商標登録したとなっています。
商標登録をすれば強いですね。
因みに、ブリジット・バルドーはこの映画が売れ、ジャン・リュックゴダール監督の映画、『軽蔑』にも主演し、成功を納めたのです。
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まとめ
タルト・トロペジエンヌの由来は、ブリジット・バルドーに負うところが大きいです。
映画のロケでは数か月なり、一行が滞在しますので、映画が成功すると、その町も有名になります。
元々サントロペは避暑地として観光客が多いのですが、タルト・トロペジエンヌの影響は大です。
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